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波乱の後だからこそ、相場を俯瞰する

通常のマルチタイムフレーム分析の逆を取る。ドル/円、日経平均のチャートには依然として「警戒態勢を解くな」というメッセージが!?

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こんにちは、盛岩外四(もりいわ がいし)です。

2016年初からの波乱はひとまず落ち着きを取り戻しました。こういうときは、できるだけ落ち着いてチャートを眺めることをお薦めします。大きな波乱が起きたり、一大トレンドを形成したりしたときには意外と近視眼的になりがちだからです。

そこで今回は、テクニカル分析の基本とされる「マルチタイムフレーム分析」の逆を取ってみましょう。マルチタイムフレーム分析とは一般的に、長い時間枠のチャートから短い時間枠のチャートにブレイクダウンしてタイミングを計ろうとする手法です。その逆ということは、より長期の時間枠を見ていこうということです。

そもそも皆さんは普段、どの程度の期間をチャートに表示しているでしょうか。1年なら2015年8~9月の大波乱を含んでいますが、年初からの下落相場を除いて明確なトレンドが見て取れるわけではありません。

ドル/円にしても、日経平均にしても、たとえば過去10年の相場展開の中で、今がどのような水準にあるのか、チャート形状はどうなっているのかを確認したほうが良いと考えています。これは、「まだ下がる」「もう危機は過ぎ去った」と悲観論や楽観論を展開しようとしているのではありません。まず、「今どのような状況にあるのかを把握しましょう」ということです。戦況が分からなければ、部隊の配置も戦力の投入規模も決められないからです。そういう意味で、チャートを「俯瞰(ふかん)」することが重要です。

 

相場の世界は「カオス」、だからテクニカル分析という「整理」が必要

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と同時に、相場の世界というのは、良い意味でも悪い意味でも「混沌・カオス」です。このコラムの最初の写真は、数字やアルファベットや記号がランダムに置かれているだけです。つまり「混沌・カオス」の状態を見ていても、情報は何も得られません。

そのため、数字や文字、色別に分類・整理して、そこに情報があるのかどうかを確かめます。チャートで言えば、ローソク足の陰陽、ボディやヒゲの長さ、トレンドや押し戻しの数値把握、各種テクニカル指標が発するシグナルとその傾向という視点でチャートを「整理」をします。これがテクニカル分析の目的でもあります。

写真の中の「2」という数字だけを水平にして見せられたら、「何? 2でしょ! それで?」となりますよね。「2という数字だけを見ている状態では、その周りにある混沌とした状態、規則性も何もないカオスがある」ことなど気付きません。短い期間の日足や日中足、ティックだけを見ているということは、この写真の「2」を見ているのと同じことなのです。

マーケットで顕在化している出来事(誰もが知っている事実)が「2」だとすると、その周りにある(見せられていない)数字は、市場という混沌の中で、ほとんどの人が知らないことが起きようとしていることと置き換えることができます。

インサイダー情報や誰にも知られたくない情報、何かを仕掛けてやろうという意志も、混沌の中で起きている「未知」のことです。しかし、それをマーケットで利益に変えようとすれば、チャート上に何らかの変化が起こります。それを捉えようとするのが、テクニカル分析の目的の1つと考えています。

 

日経平均株価のチャート形状が明らかに

まず、日経平均株価のチャートを3枚見ていただきます。日足(6カ月)、週足(2年)、月足(約10年)の順番です。

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日足チャートでは、微妙に上値を切り上げると、今度は微妙に上値を切り下げ始めます。その後にはっきりとした下落相場になると一時的ながら大きく反発、そして二番底を探りに行きます。最安値を付けた日には出来高が急増し、底打ち反転の定石的な動きになっています。反発後は持ち合いとなり、最後の3本の陽線で上放れてきました。相場好転の兆しと捉えたくなりますが、一連の展開のほとんどは200日移動平均線(黄緑色の線)の下で起きていることを忘れてはいけません。

週足にすると、チャートの形がはっきりとしてきます。

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そして、月足にするとダブルトップ(二点天井)の形成過程であることが分かります。2回の高値の間の安値に引く水平の線がネックラインです。つまり、3月に入っての反発はリターンムーブ(綾戻し)の域を出ないという解釈になります。

ダブルトップの完成は、リターンムーブが終わり反落を開始してからです。より正確に書けば、仮に3月が陽線で終了したとすれば、その安値を切ったときに完成になります。ただし、ダブルトップの形成過程だからといって、ガチガチの弱気になるべきではありません。過去には二点天井、三尊天井破りという動きになったこともあります。

リターンムーブ(綾戻し)でなくなるには、最低でも2月の高値を奪回する必要があります。2月のローソク足の始値付近には24カ月移動平均線(青色の線)があり、上値抵抗としては強い部類です。二点天井を破るための条件=ネックラインと24カ月移動平均線と2月高値を突破するためには、それなりの力=出来高のさらなる急増が必要だということです。

別の視点でも確認しましょう。2015年8月高値から今年2月の安値までの下落幅に対して、今のところは38.2%戻しにあたる17190.981円には到達していません。少なくとも、このチャートから紐解けるのは、まだ「警戒態勢」は解かないほうが良いということになります。慎重さが必要ということですね。

 

ドル/円チャートの状況と日経平均チャートとの大きな差

次に、ドル/円チャートも同じ順番で見ていきましょう。

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2015年は変動相場制施行以来の最低変動率を記録した年だけに、ほぼレンジ的な動きでした。日経平均株価は25日移動平均線を突破したのに、ドル/円はその下で足踏み状態です。相場の境目となる200日移動平均線より下に位置する時間が長いのは株式市場と同じです。6カ月間のチャートで分かるのはそのくらいでしょう。

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次に週足チャートです。持ち合いから上放れて急伸した後はレンジ的な動きです。その後は持ち合い商状。最初は上値を徐々に切り上げていましたが、2015年6月の高値を境に上値切り下げに転じています。このチャート形状は三尊天井でもありません。

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月足を見ると、無駄な情報が排除され、チャートの形がよりはっきりと分かります。2014年12月以降を見ると、上値が「扇」の形のようになっています。2月に急落してしまったので、正確なパターンではありませんが、非常に珍しいソーサートップ型のフォーメーションと考えられます。ソーサーは皿で、つまり、お皿をひっくり返した形のフォーメーションというわけです。

これは亜流のソーサートップですが、大きく動いた(下落した)ときに安値圏で持ち合うのが、このフォーメーションの最大の特徴です。3月に入ってからの反発は、株式市場ほどの大きさではありません。持ち合いが続く状態をプラットフォームと呼びます。二点天井や三尊天井は「綾」がついても「戻し」です。プラットフォームは、狭い値幅での往来相場のことを指します。つまり、この往来でポジション調整が終了して下放れるとソーサートップが完成することになります。一応、テクニカル分析の世界でソーサー型が完成するときには、かなり大きな力が加わるということになっています。

日経平均と同じようにフィボナッチを見ると、23.6%戻しの114.478円は突破できていますが、38.2%戻しの116.652円には遠く及びません。数値面でも反発が弱いことが分かります。こちらも依然として「警戒態勢を解くな」というメッセージです。

「警戒レベル」を一段下げるのは、最低でも38.2%戻しを超えてからです。まだ、キャッシュポジションを多めに取るなり、レバレッジを下げるなりして相場に臨むほうが無難かもしれません。きれいなトレンドが発生している相場ではありませんから、トレンドを追う立ち場であっても、つまりショートポジションを振るにしても慎重さが必要でしょう。

いずれにしても、変動が大きくなったり、波乱が起きたりしたときは、視野を広く持ち、全体像を把握するようにしてください。タイミングを計るためだけのマルチタイムフレームだけでなく、大局を見渡すためのマルチタイムフレーム分析もまた重要ということですね。

リスクの取りすぎはないか、ストップロスやロスカット、トレーリングストップのルールが明確になっているか、流動性の高低を意識したポジション取りをしているかなどを確認するようにしてください。

 

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12件の送信がありました。
ポンポンポロリン さん

難しいですね このサイト大事にしてボケないよう私の頭を鍛えたいと思います。それでお小遣いが出来たらハッピーなのですが!!

大樹 晩成 さん

私は、スキャルトレードを主にしていますが

時間足はせいぜい1時間足か日足までです。

週足や月足は見る事はまずありませんでしたが

此れは、非常に参考になりました。

有難うございました。

鈴木 さん

自分には、難しい相場です。

浅木 さん

難しい相場ですね。トレンドがあるようでないようで,底から脱したとも言い切れない。

のほほ さん

テクニカル分析!
全体も見る!

熊谷 さん

現在の戻し相場の方向性今後どちらに行くか難解な時に差し掛かっていると理解しました

先月半ばにエントリーした株を殆どロスカットせずに珍しく手仕舞いでき投資額全て現金化しました。FXは読んだけど難解なので今後もやりたくありません

ボラテリティの大きい相場で今までのトレードルールでは折角の収穫も即皆無に消滅の懸念も先生のメールは相場把握の一助となり時々参考にさせて頂き拝読しています

村上 允洋 さん

株 FX 共に短・中・長期線のご説明大変よく感じがつかめました、波乱のひとまずと有りますが、とてもとてもの感じをいたします。

 有り難う御座いました。
次のメッセジをお待ちいたします。

パンジー さん

現在の立ち位置の確認ができました。
もう少し慎重にしたいと思います。
ありがとうございました。

neo さん

難しい、難し過ぎます…
ドル/円、月足では、ソーサトップになっている。
レンジをした抜けしているが、フィボナッチ的にはもう少し戻しが入る可能性が高いので、状況をうまく見極める必要がある難しい局面に来ていると言う事ですか?
一人でただ、見つめていたらそんなことすら全然考えませんでした。
いつもありがとうございます。

ゆうか さん

日経平均株価は、予想以上に上がってしまいました。
でも、日足、週足、月足チャートを見て
全体像を見るのが大切。言われるとわかるのですが、
つい目先だけ見てしまいます。
わかりやすい説明をありがとうございます。

ひでゆき さん

ごく最近、(二カ月ほど)FXを学び始めました。
私にとり盛岩先生のお話は、物の見方、考え方、
姿勢、流れ等々とても良い学びになっています。

丁度、頭の中で、バラバラになっている
パズルが、ゆっくりと、組みあがる感じです。

ありがとうございます。

ヒロ さん

参考になりました

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