黒田バズーカ2をテクニカル的に検証
電撃的決定の情報は漏れていた?爆騰劇を演じた各通貨ペアのパフォーマンスをテクニカル的に紐解くことで効率的なトレーディングを狙う!
こんにちは、盛岩外四です。
日銀が量的質的金融緩和第二弾=QQE2(黒田バズーカ2)を電撃的に決定したのは2014年10月31日。身近な専門家や報道関係者に確認してみても、マーケットの反応と同じように、大方はノーマークだったようです。そのため、為替介入並みの暴騰劇を演じたわけです。
しかし、一部の市場参加者には、どうも追加金融緩和を電撃的に決めることが漏れていた節がありました。特に、米系のヘッジファンドの人たちには、です。
事の真偽は定かではないですが、もう終わったことですから、ここでは「黒田バズーカ2の威力がどの程度だったか」を各通貨ペアのパフォーマンスから紐解いてみようと思います。
テクニカル分析で目処を探る
個人投資家の多くは、こういったサプライズイベントが起きると、どうしても値幅に目を奪われがちです。そして、過ぎ去ってしまった相場についての後検証も怠りがちです。
以前にも書いたように、テクニカル分析は帰納法的な手法です。つまり、テクニカル分析とは過去の出来事をしっかりと検証し、それをこれからの相場に生かすという方法に他なりません。
また、こうした積み重ねがあってこそ、技術の向上はもちろん、大きなチャンスなのか、打診の域を出ないのかといったメリハリも付けられるというものです。
ところで、後検証の重要性を示す好例があります。ここ1年程度で起きた上昇局面は、同じような上げ方をしていることです。過去の相場を当てはめることによって、今後の上値メドや下値メドを探ることができます。
ただし、メドとは決め打ちするものではありません。あくまで目安であり、判断を変更するか、継続するかを決める道しるべのようなものです。
では、過去1年間で発生した3回の上昇局面を比較してみます。通貨ペアはドル/円です。
①2013年10月8日の安値96.570円から2014年1月2日の高値105.440円までの上昇幅は8.87円。
②2014年7月10日の安値101.065円から10月1日の高値110.084円までの上昇幅は9.019円。
③2014年10月15日の安値105.180円から11月7日の高値115.583円までの上昇幅は10.403円。
①~③の上昇幅を比較すると、①が最低、③が最高で、その差は1.533円です。この差が狭いと感じるか、全然違うと考えるかは、読者の皆さんの価値観にゆだねますが、これを上昇率にして比較してみましょう。このときの計算基準は安値と高値です。
①9.19% ②8.92% ③9.89%と、③が最高ですが、①と②は逆転しています。そして、上昇率の差はほぼ1%です。黒田バズーカ2が決定して速報が流れた直後に上値メドは115円という見解が飛び交ったのは、あくまで感覚的なものだと思います。
しかし、テクニカル分析をベースにすれば、似たような価格水準を導き出せていました。このあたりは、まだカラクリがあるのですが、主題ではないので、また今度とします。
「幅」ではなく「率」で考える
このように投資というのは基本的に「幅」ではなく「率」で考えるべきものです。そこで、黒田バズーカ2が決定した10月31日の安値を基準に、主要クロス円の11月7日までの上昇幅と上昇率も確認しておきましょう。
なお、安値はどの通貨ペアも10月31日を基準にしていますが、その後の高値はドル/円を基準にしているため、クロス円は11月7日までの最高値で計測しています。
このように整理してみると、最も大きな上昇幅だったのは、言わずと知れたポンド/円です。2番手がユーロ/円で、3番手が黒田バズーカ2の本尊でもあるドル/円です。上昇率の面では、ドル/円がトップに踊り出て、ユーロが4番手に下がり、スイスフランが浮上しています。
しかし、通貨ペアの価格水準はまちまちですから、証拠金の額も当然異なります。同じような証拠金にするためには、「価格の総額」という考え方を使います。価格の総額は「価格╳ロット」によって求めます。
例えば、価格が100円の通貨ペア①と価格が150円の通貨ペア②を同一証拠金のもとで比較するときには、通貨ペア①は3ロット、通貨ペア②は2ロットにすることによって、価格の総額は両方とも300円になります。そうすれば、必要証拠金も同じになりますね。
つまり、総上昇幅を比較するために、ロットを変えて価格の総額を揃えてみるわけです。今回の場合、価格は10月31日の安値を基準にしています。それが、下の計算結果です。左から順に、ロット数、価格の総額(ロット×価格)、総上昇幅(ロット×上昇幅)です。
ポンド/円が総上昇幅でもトップを維持していますが、ドル/円との差は僅差です。
ポジション数が増えるということは、ポジションを増減することによってリスクが管理でき、レバレッジの運用も弾力的にできるため、一概にポンド/円が有利とは言えません。
特に、現状はドルと円が軸の相場です。また、日銀が金融緩和をすることによって、円がクローズアップされるときに有効です。ただし、勢いがなくなってくると、相方のドルストレートの影響を受けるようになります。
この点も加味して、通貨ペア選びをすると、より効率的にトレーディングすることができるといえるでしょう。
まだ、この続きがあるのですが、それはまた次の機会ということで。
関連動画:黒田バズーカ2の威力



非常に勉強になります。


非常に具体的な分析で、分かりやすく勉強になりました。


大変勉強になりました。ありがとうございます。


急激な価格変化にはついていけなくて、呆然とただ見ているだけ。もう下げる?まだ上げる?と思いながら。
エントリーするのは、下げそうなとき、うりではいって、もっていかれる。
こんな見方をするんだ。やっぱりプロは違う。
過去の似たような状況を参考にする。
貴重なお教え、ありがとうございます。
新しい知識を得ても、、すぐに忘れて、元の木阿弥。
トレンドフォローでやるつもりなのだから、素直にエントリーするだけでよかったのに。
なぜだか、相場が上げてくると、うりたくなり、下げると買いたくなる。
とにかく、貴重な情報を有り難うございます。


上昇(下降)は幅でなく、率で考える事は一番を大事を知りました。(初心者です)


盛岩先生のどこまでいくか?という値幅の観測についてですが、今までは私は「値幅」のみで考えていましたが、盛岩先生のこのコラムで「幅」ではなく、「率」で観測するという考え方はとても参考になりました。
カギ足を参考にしてトレードすることもありますが、今考えると、値幅でなく、率で動いたときに線を書きますからね。
今日のクロス円の最高値更新後の下げは、絶好のタイミングということで、円買いを仕掛けてみました。
さて、どう為替が動くか楽しみであります。


なるほど幅より率で考えることが重要なのですね
それと過去検証の重要性が良くわかります
普段から値動きが激しいポンド/円の動きに目がいきがちですがポジション数でのリスク管理を優先するならドル/円の方が有利
うむむ~ 勉強になります^^


値幅や1PIPSを価格で見てばかりで、実際変動率として相場を見ている方はかなり少ないんじゃないでしょうかね。
価格の総額で考えると、上昇の目安がそれぞれの通貨でわかってくる、というのは面白い発見です。すごいです。