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中国株バブルの崩壊はマジでやばい

ギリシャ危機よりもっと怖い中国株バブルの崩壊!日経平均株価なら約7000円の急落に相当!世界のマーケットが高変動相場に…

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こんにちは、盛岩外四です。

ここのところ、FRBの利上げ観測に対する強弱感や、黒田総裁の円安牽制発言、ギリシャと欧州委員会の協議決裂、ギリシャ国民投票で緊縮財政反対派の圧勝、中国株式市場の暴落によって、外国為替市場だけでなく、各国の株式市場、商品市場などが高変動相場に陥っています。

 

皮肉にも最大の変動幅は黒田総裁の発言時

蛇足ですが、7月8日のドル/円相場の高低差は2.158円で、リスク台頭に警鐘を鳴らすような記事やコメントが続出しました。そもそも、黒田総裁はギリシャ問題が緊迫化する6月下旬に、市場が楽観しすぎていることに対して気を揉んでいたようです。しかし、蓋を開けてみれば、マーケットの混乱はギリシャ発というよりは中国発による影響のほうが大きかったといえるでしょう。また8日の高低差よりも、黒田総裁が円安牽制発言をした6月10日の高低差2.165円のほうが大きかったことは、皮肉としか言いようがありません。

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中国株暴落でも、楽観姿勢を崩さない市場関係者

中国の株式市場が30%を超える暴落をしても、市場の注目はギリシャ問題に偏っていました。中国の異変に各マーケットがようやく反応すると、それを後追いするようにエコノミストや評論家たちが警鐘を鳴らし始めました。それでも、そうした人々は少数派で、多くの識者や市場関係者は楽観姿勢を崩していません。その点が恐ろしく感じるわけです。

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過去にクラッシュといえる市場の下落局面は、ブラックマンデーをはじめ、バブル経済やネットバブルの崩壊、ライブドアショック、サブプライム問題からリーマンショックに至る未曽有の金融危機が挙げられます。そのすべてで共通していたことは、相場が下落しても市場関係者が楽観姿勢を崩さなかったことです。東京地検がライブドア本社に強制捜査を行った後に、新興市場が大きく崩れてもなお、「一企業の問題」と高をくくっていました。

サブプライムローン問題が顕在化したときは、「サブプライムローン債権がどこにどれだけあるかが分かれば、それほど大きな問題ではない」と多くの専門家が口を揃えていました。

バブル経済崩壊の序盤も忘れることはありません。日経平均株価が史上最高値を付けた1989年12月29日、「来年の日経平均、5万円は堅い!」と、証券会社内では強気一辺倒でした。市場が「熱狂」状態になると慎重派や弱気派は冷たい視線を浴びせられます。「どうして、そんなに弱気なんだ!!」と。当時は、年明けから売り先行の展開になっていたにもかかわらず、「安いところは買い」と強気姿勢を崩しませんでした。

 

日経平均株価なら7000円の下落に相当

中国は世界第2位の経済規模を誇り、株式市場の時価総額は6月中旬に10兆ドル(約1200兆円)を超えていました。東証一部市場の2倍の規模です。そのマーケットが、わずか1カ月足らずで35%も下落したのです。日経平均株価が2万円とすれば、7000円の下落に相当します。本当にそんなことが起きれば、大騒ぎを通り越す事態でしょう。

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日本の市場参加者の多くは、中国リスクをやたらと警戒していたにもかかわらず、実際に暴落しても反応薄だったことが不気味でなりませんでした。リスクに対してあまりにも鈍感だったからです。せめて弱気派が大勢を占めれば、ある意味で健全な状態だったといえるでしょう。その中に強気派がいるのも問題ありません。しかし、強気派と弱気派の割合は、強気派が圧倒したままでした。

7月8日になってようやく、中国リスクに対して日本の株式市場やドル/円相場が大きく反応しました。東証一部の出来高は大幅安の初日に37億株を超え、早くもセリングクライマックス的な動きになりました。その結果というだけではないのでしょうけど、世界的に買い戻しも入り、中国株式市場も急反発しています。

イエレンFRB議長は7月10日の講演で、年内利上げが適切と再表明したことを受けドル/円相場も急反発が継続、8日の高値を奪回しました。中国政府の株価対策が功を奏し安定してくれるのなら、中国の株価暴落を発端とする世界的な金融収縮は、私の杞憂に終わるかもしれません。しかし、現状の中国株式市場は半数程度の銘柄が売買停止の措置を取られ、「緊急止血」をしている状態です。株価が急回復したからといって、問題が解決したわけではありません。過去のクラッシュを何度も経験した立場からすると、相場に大きな揺れが生じているのに「大丈夫」「問題ない」とリスクの台頭を軽視しているときは総じて、その後に「轟沈」しているケースが目立ちます。

 

マーケットの状況を測るモノサシ

マーケットが楽観しているのか悲観的なのかを計るもう1つのモノサシが、個人投資家の動向です。大きな下落が2日間で収まった(2日目は序盤の急落)ことで、多少の悲観が聞こえてきたものの、悲鳴とはほど遠いものでした。買いそびれていた投資家は絶好の買い場と判断したからです。

多くの個人投資家は、株式でも為替でも、逆張りスタンスが基本です。ただし、逆張りも度が過ぎると問題です。たとえば、テクニカル分析の観点からすると「相場が崩れているのに喜んで買う」という動きは明らかに需給を悪化させます。ライブドアショックのときも、サブプライムローン問題のときも、勢いよく下落しているのに買い向かっていました。一方、悲鳴が聞こえてくるときは投資家が恐怖していることの証で、相場が崩れていてもマーケットは別の意味で「健全な状態を維持している」といえるでしょう。

 

相場の最終局面とは

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2カ月ほど前に、ある大手金融機関の幹部氏と話をする機会がありました。そのとき「上昇している状況で個人投資家が買い越したとき、相場の最終局面は近い」と言っていました。個人投資家は一般的に、相場が上昇する過程で売り越しになりがちだからです。それがスタンスを変えたということは、居ても立ってもいられない状況になったということなのでしょう。

言い換えれば、上昇相場の押し目を狙う機関投資家や個人投資家を含め、全員が同じ方向を向いたときは、相場に黄色信号が点ったと警戒すべきでしょう。相場の状況は、需給動向に現れます。何をいくらで買うべきか、いつ売るべきかにばかり意識を奪われると、相場全体の状況を見失いがちです。特に「熱狂」の状態のときは、それが顕著です。よく言われる「全員参加型の相場」というのは、ある意味で相場の最終局面なのかもしれません。

 

「誰かのお墨付き」に頼ってはいけない

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金融機関の幹部氏は、次のようなことも言っていました。「われわれは過剰流動性に慣れきってしまい、自分たちの行動を抑制することができなくなっている」と。これは「リスクに対して鈍感になり、居心地の良い状態が永遠に続くかのような錯覚に捕らわれていることは気づいているのに、修正が効かない」という意味です。

相場の激変は、巷で言われる5月や11月ばかりに起こるわけではありません。相場を張る以上、過度に弱気になる必要もありません。しかし、常にリスクと向き合い、その準備を怠らないことが結局、生き残る術だと考えています。「居心地が良いとき」「相場修復力が強いとき」であっても、です。

トレンドに乗る・追う立場からすれば、「上昇相場だろうと下落相場だろうとリスク管理さえしていれば乗り切れる」というのが持論です。そして、「熱狂」に惑わされず、無定見な楽観論にも耳を貸さないことも重要です。同時に、付和雷同的な行動も慎まなければなりません。「専門家が深刻に考える必要はないと言ったから強気になる。大丈夫だ」という姿勢ではなく、自らが判断できるようにすべきです。「自分の資金は、自分で守りながら殖やす」。これが鉄則です。「誰かのお墨付き」に頼ってはいけません。

現状は、日銀とECBが大規模な量的緩和を実施し、中国も矢継ぎ早に金融緩和を実施していますから、過剰流動性相場は今後も続きます。その一方で、一部の中央銀行首脳は、あふれる緩和マネーのリスクに警鐘を鳴らし始めています。相場が「熱狂」になれば、リスクや悪材料などお構いなしに行き過ぎることがあります。そのときには逆張り投資家もトレンドフォロー型に変わっていることでしょう。

こうしたときに皮算用だけで相場に臨むのではなく、トレードのシグナルやサインをこれまでにも増してしっかりと守らなければいけません。そうすれば、闇雲なポジション取りが減り、結果的に無用なリスクを取ることもなくなります。

この1週間は、久しぶりに昔のことを思い出しながら、「歴史は繰り返すかも」と思った次第です。

 

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15件の送信がありました。
natori さん

中国市場のなりふり構わない暴落阻止には驚きましたが、一応は混乱を抑えて上昇までになるほど回復?しました。人為的に暴落は抑えられないと思っていましたが、人為的に抑え込んだように見えました。今後、どうなるのか注目しています。「上昇相場だろうと下落相場だろうとリスク管理さえしていれば乗り切れる」とのお話は大変参考になります。

barbonsoda さん

盛岩さんの相場観、コメントは私にとって信頼に価する数少ない一人です。これからも宜しくお願い致します。

鈴木 さん

FXって、奥が深いですね。 不一

snow kiss さん

嫌な予感がする。
予感よはずれてくれー。
サイクル的にもやばいんかな。

ツッパリ子猫 さん

「過剰流動性に慣れきって」というのは、成程なぁと思いました。
貴重な視点を有難ふ御座ゐます。

東奔 西走 さん

全く共感です。
ただ、我々には、上昇している状況で個人投資家が買い越したとき、相場の最終局面は近いと言われても、個人投資家が買い越しているのかどうか、知るよしもありません。
新聞などで知る方法はあるのでしょうか?
又、外人の売買状況も知る方法はあるのでしょうか?

京藤一 さん

盛岩様いつも有難く見ています
 自分素人ですが学んで居ます
 有難い事です、失礼致します、

小松光雄 さん

おっしゃる通りですね、肝に命じます。ありがとうございました。

sarannT さん

いつ何が起こるか分からない状況なので
資金量を減らして、ストップを必ず入れるように
しなければと思いました。

しかし暴落する時もチャンスなので虎視眈々と大相場も狙えるように
注意して相場を見なければと思います。

ありがとうございました。

盛蔵 さん

いつも、有難うございます。
何年かぶりに山本様という懐かしいお名前にもお目にかかれました。

現在の今日だけを見ている私にしてみれば、ハッとわれにかえる、現実を
振り返れる大切な教訓、ふと忘れがちな目まぐるしさから自分を位置を思い
知らせて下さる先輩方のご教示を有難く自分のものに取り入れなければ…
と思います。7月13日

市川圭一 さん

とても興味深く読まさせていただきました。

tomcat さん

個人的には危機感、でも相場の雰囲気に流されそうでした。冷静を取り戻せそうです。タイムリーな情報ありがとうございます。

だるまぴん さん

盛岩先生の深い洞察と私程度の者にもわかりやすい文章によるコメントには常々感心させていただいてます

「歴史は繰り返す」には全く同感です
気付かれないようにより巧妙に進化しながら
リメイクを繰り返していくのではなかろうかと・・・

「想定外だった」なんて流行語で笑って済めばいいんですけどね、ホント

Sジェントル さん

私は今年52歳ですが、日経平均最高値の時に証券マンでした。リーマン暴落の時もそのときの恐怖を感じウリ一方で挑んだことを思い出します。崩れ行く相場は…必ずキャットバウンドしますよね。その後ホントの恐怖が始まります。
失望の中で芽生え、懐疑の中で育ち、楽観の中で朽ち果てる。
人のいく道に裏あり花の山。

Arthure= アルテュール さん

私も上海が恐くて利確を急いで取り合えずキャッシュを100万円作っておきました。

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