ドル/円相場112円割れでどうなる!?
重要な節目を終値ベースでことごとく下抜けしたドル/円相場。このままダラダラ下げる可能性アリ?円売りポジション整理がポイントに!
こんにちは、盛岩外四(もりいわ がいし)です。
ドル/円相場は1月17日に昨年11月以来となる112円台まで下落すると115円超を上限とするレンジ的な動きになっていました。
1月24日からの戻り相場ではMA25に接近しましたが、わずか7銭の差を埋めきれずに反落に転じてしまいました。
その後は徐々に下値を切り下げるものの、112円割れを拒否するように下ヒゲを伸ばし買い方の抵抗が強まったかに見えました。ところが、押し目を買おうとする意思は確認できても、後続がなければ戻りは緩慢になります。
支持帯の下限、フィボナッチの38.2%押し、MA75を下抜け
直近の反発はMA10に到達するのが精一杯で6日深夜に112円割れ。
75日移動平均線をはじめ、薄緑色の支持帯の下限の節目、フィボナッチの38.2%押しの水準にあたる111.986円、と重要な節目を終値ベースでことごとく下抜けしてしまいました。
・ドル/円 日足チャート(2016年2月5日〜2017年2月6日)
このところ、トランプ新政権による日本の円安誘導を非難する発言が折にふれて問題視されていますがこれは表向きの話と考えています。
実態はトランプラリーで円売りポジションが積み上がったまま、はしごを外されたのでしょう。米国債利回りはFOMCで利上げを決定した12月中旬とそれほど変わらないからです。
しかも、下落を止める円買いポジションは枯れているため、下落しても買い戻しはほとんど期待できません。
センチメントが悪化していることは確かですが、今のところドルを積極的に売ろうという姿勢ではないでしょう。
ただ、3日の米雇用統計では就業者数の伸びは顕著だったものの、追加利上げの根拠となる平均時給の伸びは前月に比べ鈍化。雇用統計の後はただでさえ売られやすいのに、この結果では追加利上げは当面のあいだ期待できません。
MA200に向けてのダラダラ下げに注意
ドル/円相場のテクニカル的な特徴として、大きなトレンドが発生した後の反落局面で重要な節目を突破すると深く押したり戻したりする傾向があります。
となると、半値押しは109.923円、61.8%押しなら107.860円。ただ、フィボナッチは計算値ですからこれに近い節目があるかどうか。
見ると107.288円にMA200が走っていますので、円売りポジションの整理が進捗しなければダラダラ下げる可能性はあるでしょう。
現実味を帯びてきた週足チャートの重要な傾向とは?
・ドル/円 週足チャート(2011年10月23日〜2017年2月6日)
週足チャートでも、重要な傾向があります。MA13を下抜けしてしまったため、それが現実味を帯びてきています。それは、MA26とMA52がゴールデンクロスするときに、かなりおおきな乖離になっていることです。
中長期線のゴールデンクロスは一般的に、トレンドを発展させる大切な役割を果たしています。ところが、クロスのタイミングで乖離が大きすぎると、下値メドとなるMA26に向けて下落しやすくなります。
これもポジションの調整がダラダラと続いてしまい、本格的に押し目買いしたい勢力が様子見を決め込むために、下値が緩くなるわけです。
MA26は108.821円に位置していますが、61.8%押しと半値押し水準の間にあります。しばらくの間は、通貨先物の円売りポジションがどれだけ減るか、ドラスティックな下げが起きて、長い下ヒゲを伸ばすかどうかに注目すべきでしょう。
※この記事は有料会員様に向けに2月6日に撮影された映像を元に作成したものになります。
FPOスタッフよりお知らせ
ドル/円相場が75日移動平均線を下抜けてきましたが、他のユーザーたちは今のマーケットをどう見ているのか?知りたい人がいるならおすすめの方法があります。
詳しくは以下の記事で紹介していますので、ご確認ください。



USD/JPY は日本だから取り上げているのだと思いますが世界の中で取引量が一番多いのは EUR/USD だと思います。
ですから EUR/USDについての解説をお聞きしたいのですがお願いできますか?


上記のチャートの御説明は非常に解り易いです。初心者の為、下値メドは把握出来ませんでしたが、上のチャートの説明見ると108円前後まで円高が進む気配も納得です。非常に解り易い説明ありがとうございます。
ついついチャートの流れのみを追ってしまうのですが、ポジション整理などのお話はとても勉強になります。ありがとうございます。