日経平均急落を阻むか?!3つのサイン
テクニカル分析でまさかの急落に備えよ!知ってる者だけが命拾い?!日経平均株価の週足チャートから相場の節目を先読みする
(2014年1月31日執筆)
ブログ初登場!FPO投資総合研究所の上席研究員、“かめ”こと小泉 亀雄です。
2013年は掉尾の一振(とうびのいっしん)で、宴は最高潮に達しました。
しかし、新年から相場つきがガラッと変わってきましたね。日経平均株価は、12月30日の高値16320.22円から1月30日の安値14853.83円まで、ざっと1500円も下落!!
下落相場の展開で、あまりハイテンションになって顰蹙(ひんしゅく)を買うのもイヤなので、ちょっとまじめに日経平均株価の週足でテクニカルの基礎を紹介しますね。
反発に転じる可能性がある3つのサイン?!
2012年11月にスタートしたアベノミクス相場は、2013年5月に15942.60円の高値を付け、上昇第一波が終了しました。そして、11月から再び上昇を開始したわけですよ。
チャート:DreamVisor.com(2012/1/30~2014/1/30)
この間は、6月の安値12415.85円、8月の安値13188.14円、10月の安値13748.94円、11月の安値14026.17円と、下値を切り上げながらも上値は切り下げる典型的な三角持ち合いの相場展開でした。なぜ、安値しか具体的に書いていないかって?
実は、ここが最初のポイントなんです。
チャートの重要な節目「26週移動平均線」
チャート:DreamVisor.com
このチャートは、ひとつ上のチャートのピンクの枠を拡大した箇所です。赤色の線が13週移動平均線、青色の線が26週移動平均線ですが、上昇第一波終了の5月23日の高値以降は、26週移動平均線が相場を支えていました。
まぁ厳密に見れば、ちょっと下抜けているところもあるんですけど、別に適当なことを言っているわけじゃないですよ(移動平均線はMAとしますね。Moving Averageの略、単純移動平均線という意味)。
というのも通常、テクニカル分析の世界では、ローソク足が2本連続して終値ベースで割り込んだときに、はじめて“明確に抜けた”という認識になるんです。だから、8月に1回終値ベースで下抜けても、すぐに回復しているため、ここでは明確なブレイクとはならないんですね。あっ一応、裁量分析の世界では、、、ですよ。
1月30日(チャート右端のローソク足)はMA26に接近して、若干買い戻されました。この時点のMA26は14798.00円にありますから、ギリギリで下げ止まっているわけです(ちなみに1月31日の安値は14764.57円で一時的に割り込んでいます。終値は14914.53円)。
MA26を一時的に下抜けても買い戻されるようだと、本格的な上昇相場に戻るかどうかは別として、反発が期待できるわけですね。
つまり、このMA26を終値ベースで下回るか、持ちこたえられるかという点は、チャートの中では重要な節目というわけ。
価格帯別出来高をチェックしてみる
反発に転じるかもしれないヒントは、価格帯別出来高にも現れています。チャート右側にある横棒のことで、1本を100円刻みで表示しています。
あまり見たことがないかもしれませんが、これがとっても大事なんです!ちなみに、この棒はチャートの表示期間内の出来高をカウントしたものとなります。
チャート:DreamVisor.com
コレを見ると、15000円以下の200円分、14800~14900円のレンジは出来高の棒がないですよね?(黄色) これは、この価格帯ではほとんど取引されていないということです。つまり、真空地帯ということで、ここはスルスルッと相場が動きやすいところでもあるわけ。
いっぽう、空白になっているそのすぐ下、とくに上から2本目からは長~いのが3本あります(ピンク色)。これは出来高が多かったということで、これもチャートの節目になりやすく、テクニカル分析の世界では「14700円以下の300円分は強い支持帯」と考えます。この価格帯が正念場か?!と、かめは考えています。
さらに2013年6月13日の安値(1つ目のオレンジの丸)をつけてからは、7月19日の高値14953.29円、9月27日の高値14817.50円、10月23日高値14799.28円と、心理的な節目ともいえる15000円に一度も到達しませんでしたが、実はこういった強力な抵抗線というのは、いったん抜けると今度は支持線として機能するようになります。
現状(1/31時点)はその価格帯の上にありますから、このような場合は一番最初の7月の高値14953.29円に水平の線(水色)を引いておくといいですね。要するに、これが支持線として機能するケースが多いということです。
●3つのサインが反転上昇の可能性を裏付ける?!
・ 何度も下落を支え続けてきたMA26
・ 価格帯別出来高が集中する14700円以下300円の価格帯
・ 上昇を3度阻んだ強力な抵抗線が今度は支持線に
つまり、このように週足チャートのなかに、反転しそうなサインが3つも出ていると、下落もこのあたりで一段落するだろうと投資家を安心させてくれるので心強い?
いや、ちょっと待った!!それって安心ではなくて油断かもしれませんよ。
実は、心配なことがあるんです。一番右のローソク足がどうも気になります・・・。
本格的な下落相場はこれからかも?!
チャート:DreamVisor.com
前週の安値から放れた価格で寄り付いていますね。ローソク足がヒゲでしか重なっていないところ(黄緑矢印)です。このようにローソク足が間をあけることを「窓あけ」っていうんですが、ここでは下に窓を開けて寄り付いてから一時的に戻して、ヒゲで窓を埋めていることが見てとれます。
これが週足で出ているということは、まだ下落相場が終わっていない可能性が高いともいえるんです。窓を開けた後の展開としては、窓埋めが完了すれば埋めた方向と逆にトレンドが出やすいとされるのがテクニカル分析の定石。つまり、今回でいうとここからの下落の可能性は十分にあるぞ!ということ。
しかも、反転しそうなサインが3つもあったにもかかわらず、もし、これらをすべて抜けるような展開となるならば・・・・滝汗。「まぁ大丈夫じゃないの」と楽観視しているアナリストたちも多いですが、そんな軽視しちゃっていいの?とかめは心配するのです。
強い支持帯が一転、強い抵抗帯に!
ここは、やはり下落余地はまだ残っていると考えて、相場に臨んだほうが得策かもしれませんよ。反発があったとしても強気になって買い急がず、保有している株は、いったん外せるものは外しておいた方がいいかもしれません。たとえ反発したって16000円台に回復できないと、ダブルトップになってしまいますからね。
もう1つ、かめからの注意事項です。
物事には良し悪しがありますけど、仮に14000円くらいまで下落してしまうと、14700~14400円までの強い支持帯が、今度は強い抵抗帯になってきます。何故って?これだけ出来高があるということは、買っている人が多いということですからね。
つまり、この価格帯に近づくと下落した時に売り損ねた人たちが、少しでも損失を小さくしたいとチョット戻ったところですぐに売ってくるので、どうしても上値が重くなるわけ。
よく相場の世界で戻り待ちの売りが多いというのは、こういうことを指すんです。
チャートには投資家心理が見事に現れるので、パターンがわかれば面白いものです。



まだ証券会社さんの言いなりになってる素人です。少しでも自分で判断出来る様になりたいですが 難しいです。


気になるところから読ませていただいています。
申し訳ありません。
大変よくわかりました。
ありがとうございました。


ありがとうございます。勉強になります、しかし、チャートが表示されません。タブレットで見とりますがそのせいでせうか?


なるほどこんなレポートを早く読めばよかったとこうかいしております。今後もいただけるのでしょうか?特に3月相場についてですが。3月は上がると多くの人たちが言っていますが、


1亀さん江
明快なチャート解説と用心せよ、心から感謝。色分けも濃い色なので、老人でも十分見えます。
2藤ノ井様
1)いつも,心のこもった&優しい心のかつ論理的な解説ありがとうございます。
2)いつも手も人相が優しく言葉もぬくもりがあり、お顔を拝見すると心が温まります。野村證券には悪いが野村社員の正反対のお顔、温顔には真実ほっと刺されます。深謝深謝。もう後悔はやめようと思いますが、不動産で儲け、今もそのおかげでちょこちょこ小銭が入るが、株では大損をしております。自分は論理は理解できるが感情が強すぎる。と自己反省。大雪故先生御身大切にyt2014.02.14


かめ様
御講義ありがとうございました。
早速にコピーしました。これからじっくり学ばせて頂きます。
チャートの見方を学びたいと思っておりましたのでとても有難く嬉しく思います。
これからもよろしくお願い致します。


大変勉強になります。ありがとうございます。


すごく解り易くて良かったです。
丁寧できちんとした内容で、とても参考になりました。
軽い話し方と違って、しっかりした人なんですね。
これからも、よろしくお願いします。


興味深く読ませていただきました。
株の世界は奥が深いですね。
素人なので1割も理解できませんが


トレードビギナーには難しい解説だけど、わかるようになりたいものです。


大変勉強になりました。私の運用資金はあるポイント以上になるといつも下降致します。持ち分は売らないで、これ位の下落範囲だらと買増し致します。予定以上に上りますとついつい買い増しいたします。それが高値で重しとなり買い時期の難しさと売りの難しさを痛感しています。私の性質でついついやってしまい自己嫌汚に陥ります。精神的に弱いのかとおもい今後は目標をしっかり持つ,あまり欲をかかない、防戦にエネルギーを費やさない、楽しめる心境になりたいと希望しています。


凄い分かりやすかったです!
この記事にもう少し早く気づいていれば・・・(>_<)


下に窓を開けて寄り付いてから一時的に戻して、ヒゲで窓を埋めていることが見てとれます。← ここは非常に勉強になります。下げのサイン MA13を割れた ここですでに下げトレンド発生なのかと印象でしょうか。
売り手と買い手 心理で、サポートラインが味方にもなり、壁となる。壁を抜けてもダブルトップに成りやすいと、なかなか上値を越えられないですしね。目安にはなりやすくわかりやすいのですが。。株は需給 売り、買いの心理をチャートで読んでいかないとならないことがよく理解できます。


普段何気に見てるチャートやローソク足ですが、こういう風に丁寧に説明していただくとより解りやすく今後の相場の方向性が見えてくるのでとても有難いです。できれば週末ごとに1週間を振り返り次週の展望につながるように解説していただけると非常に助かります。以上身勝手な感想ですいませんでした。


徐々にですが、言葉の意味を理解できます。
参考になります。


なかなか面白くわかりやすいですね。


私の様なら素人にも、参考になる分かりやすい解説
ありがとう御座います。


今回の相場で、プロの方が、すごい下落でも買い急ぐなと言われている理論的訳を詳しく教えていただき、とても勉強になりました。
かめさんのまじめな解説、とっても大歓迎です。


今回の大暴落で期待できそうな個別銘柄に押目がきたと75日移動平均線近辺で強気で調子乗ったところ現在追証になってます。なんとも恐ろしい目にあったので今後気をつけたいと思います。勉強なります。


亀様に期待しておりますこんごともよろしくおねがいします


かめさんのメルマガいつも楽しみにしてます!
今回の内容も非常に具体的で参考になります。残念ながらかめさんの注意事項にある通り14,000あたりまで下落してしまいましたが。。。この記事を見るのが遅れ、持ち越してしまい損を出してしまいました。
本日の戻しで、いくらか取り返しましたが、今後も引き続きかめさんのおっしゃる節目に注意しながら引き続き相場の風向きを注視していきたいと思います。
価格帯別出来高とかもチェックしたことありませんでした。
ありがとうございました!
チャート判断に加えてファンダメンタルを眺めても混乱するばかりデス。