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ドル/円相場の過去20年間を総括

チャート(時系列のデータ)では分からない、新たな発見が!!月の変動率を階層別に整理して検証してみると傾向が浮き彫りに!?

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盛岩外四です。

今回は、過去20年間のドル/円相場を総括してみたいと思います。月間の変動率を階層別に整理し、各月の変動率の移り変わりや勝敗などをグラフ化し、検証していきます。また、1年間の最高値と最安値がどの月に出現しているかを探り、その傾向も見ていきます。

今回は資料が非常に多いため、グラフやデータをじっくり見ることに専念してください。

データを分析したり検証したりするのは、ついつい直近の傾向に左右されがちです。また、通常は時系列のデータ、たとえば、1月から12月までという期間で見てしまうものです。

しかし、それを月別や変動率別など異なる視点から整理して検証することによって、時系列では判明しなかった傾向が浮き彫りになることがあります。

常に何らかの傾向が発見できるわけではありませんが、こうした地道な検証とそれに基づく認識が、あるときに突然、利益をもたらしてくれたり、大きな損失から身を守ってくれたりするものです。

 

検証すれば必ず報いがあるわけではない

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多くの方は検証すること=必ず何らかの報いがあると期待しがちですが、そうでないことは多々あります。しかし、様々な角度から検証する姿勢を持ち続けることによって、トレードの新しいアイデアが生まれたり、ある種の根拠が発見できたりすることがあります。

ただし、こうした検証は、必ず何かが見つかるという期待(先入観)を持たないで作業する必要があります。先入観が強くなると、検証やデータの加工にバイアスをかけてしまい、本来なら導き出せるはずの結果が覆い隠されてしまう恐れがあるからです。検証前に「結論ありき」ではダメなのです。

また、これから解説する最初のデータ(月間の変動率)を詳しく見ていくことによって、低変動相場だからとイライラしたり、突然のように襲ってきた高変動相場に翻弄されたりすることも減るはずです。

低変動相場が永遠に続くことはありません。低変動相場の後には高変動相場が訪れ、その流れは徐々に沈静化していきます。それでも、皆さんが思うほど早く収まるわけではありません。

相場のメリハリを見るという点では、月足を分析することが大事です。月足チャートで相場の流れを把握することも重要ですが、チャートはあくまでも時系列のデータです。言い換えれば、時系列ではない月別の傾向を様々な観点で見る習慣をつけることも重要なのです。

レバレッジ取引が基本のFXでは、月足チャートや月次データを見ることは稀かもしれません。月足チャートを真剣に見たことがない人もいるでしょう。月足は文字通り、1カ月に1本しか立ちません。そのため変化に乏しいのですが、これは逆の見方をすれば、いつも見るものではなく、たとえば、四半期が終わったらその期間のおさらいをする程度の頻度で充分に検証が可能ということです。

 

ドル/円の月別・変動率別の検証

株式市場と外国為替市場(ドル/円)とでは年間の変動率が大きく異なります。株式市場の変動率が大きく、ドル/円の変動率は株式市場に比べて小さくなる傾向にあります。つまり、市場規模と流動性が大きければ大きいほど、価格変動率は小さくなりがちということです。

ここに取引するうえで、基本的ですが、非常に大事なヒントが隠されています。変動率が低いということは、そのままの取引では株式市場などに比べて期待できる利益が劣る(小さい)ということです。言い換えれば、変動率が小さい分、レバレッジをかけてその欠点を補おうとするのがレバレッジ取引の根幹です。

こうしたことを理解しないまま、レバレッジをかけることを単に儲かりやすいという意味で捉えてしまうと、リスク過多のギャンブルになってしまいます。たとえば、株式市場の年間平均変動率が30%で、ドル/円のそれが10%だとしましょう。これを同じ程度の変動率にしようとすれば、FXのレバレッジは3倍が妥当です。

よくレバレッジは2~3倍が好ましいなどと感覚的に語るマネーの専門家らしき人たちがいます。しかし、そうした人たちがこの根拠を示すことは皆無です。単純に「危なくないから」「レバレッジのかけ過ぎはリスクが大きくなるから」という脅し文句程度です。

しかし、レバレッジを考えるときに変動率を比較対象にすると、3倍の根拠が明確になります。また、株式市場でレバレッジを効かせる信用取引は大雑把に3倍までです。年間の平均変動率が30%であれば、その3倍(実際に限度枠まで取引するのは稀ですが)ですから、レバレッジを加味した変動率は90%になります。ドル/円の年間平均変動率が10%なら、同じようにするためには9倍のレバレッジをかける必要があります。

 

レバレッジ10倍は投機的

信用取引はより投機色の強い取引ですから、ドル/円でも10倍近いレバレッジを効かせるのであれば、やはり投機的なトレーディングであると認識すべきです。同時に、信用取引は一般的に、決済までの期間は最長でも6カ月間です。

要するに、信用取引は短期売買が基本であることを基準にすれば、10倍弱のレバレッジをかけるドル/円の取引も短期とわきまえなければなりません。

この場合の短期とは、どんなに長くても1週間でしょう。通常は数日か1日のうちに手仕舞うことも念頭に置かなくてはなりません。この考え方からすると、レバレッジが10倍を超える取引をしようとするのは、かなり危なっかしいスタンスであることが解ります。

10倍を超えるレバレッジをかけてはいけないわけではありませんが、リスク管理の手法をかなり厳密にしないといけませんし、ポジションの機動的な出し入れも求められます。つまり、モニターに張り付いていなければいけないということです。心理的な負荷もかなり大きくなりますし、高い集中力も求められます。高いレバレッジをかけるときには、こうした認識を持つべきなのです。

それでは、ドル/円の月別の変動率(20年分)を見ていきましょう。

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ドル/円の変動率は、3%未満、3%以上5%未満、5%以上10%未満、10%以上の4階層に分けました。この中で圧倒的に多いのは、3%以上5%未満の115回です。このデータは20年分ですから、全部で240回になり、半分近くがこの変動率に収まることになります。つまり、この変動率帯がドル/円相場の平均的な姿ということでしょう。

3%未満は36回と、5%以上10%未満の84回に比べて半分以下です。月間変動率が3%未満ということは、たとえば、ドル/円が100円なら月間の高低差は3円未満になります。この程度の変動率になると、多くの市場参加者は様子見気分を強め、個人投資家は「相場が動かない!」とうんざりしがちです。

同時に、極度の低変動相場が数カ月間に及ぶと、トレーダーは変動率の小ささをレバレッジで補おうとします。そして、逆張りをするようになります。これが一定の価格にポジションが溜まる原因になり、どちらかにブレイクしたときに想定外の変動率をもたらすことになります。

3%未満の変動率を月別に見ると、9月の5回が最多で、この傾向は覚えておいてもいいと思います。同時に、この5回がどの年に出現したかを、この先に示す月別の棒グラフで確認することも忘れないでください。

5%以上10%未満の変動率にも顕著な傾向があります。3月と11月はともに10回です。20年間のうち、半数が比較的高変動に見舞われています。5月から10月までの期間も重要です。3%以上5%未満の変動率は最多ではないものの、2桁が集中しているからです。こうした傾向もしっかりと頭にたたき込んでおきましょう。

 

1月から4月までの月別変動率と勝敗

ここからは、月別の変動率(騰落)と勝敗を見ていきます。月間変動率の棒グラフの単位は%、赤色のバーが下落、緑色のバーが上昇です。また、カッコ内の勝敗は直近10年間に絞ったものです。

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1月の変動率は、1998年前後と2009年前後に大きな山を形成しています。前者は1997年(7月)に発生したアジア通貨危機の影響で、後者は2008年に発生したリーマンショックの影響です。

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2月は、2回の危機後に明暗を分けました。1998年は変動率が低下しましたが下落、2009年は11%を超える変動率で上昇し、ボラティリティーが早期に沈静化しないことを物語っています。同時に、相場の向きは同じではなく、上下動がより大きくなることも念頭に置く必要があるでしょう。

直近では、2016年の大幅下落も象徴的です。このときは、日銀の追加緩和(マイナス金利の導入)が裏目に出た時期でもあります。市場参加者の期待が強すぎたともいえるでしょう。これらの動きを除けば、2月の動きは比較的穏当ですが、10年に1回程度の頻度で高変動率の相場が襲ってきていることは記憶しておくべきでしょう。

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3月の勝敗は、直近10年で4つの勝ち越ししたことで好転しています。言い換えれば、10年以上前までの変動率は高めで、下落する傾向が強かったということです。2009年以降は7連勝をしていましたが、2016年にはそれが途切れました。

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4月の変動率は3月に比べ、低下傾向にあります。連勝は最大で2、2015年までは連敗も2でしたが、2016年が下落となり3連敗を喫しています。これで、過去20年間でも直近10年間でも負けが2つ先行しています。年度末を過ぎ、ホッと一息の隙を突かれないように、手綱をしっかりと締めてください。

 

5月から8月までの月別変動率と勝敗

今度は5~8月です。市場関係者は「セル・イン・メイ〜」という米国の相場格言から5月相場は下がるというアノマリーをまことしやかに口にします。しかし、この格言の本来の意味は「6月相場は危ないから、5月には売り払って9月まで相場から離れましょう」です。

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実際に検証すると、1997年こそ12%を超える下落に見舞われていますが、それ以外は比較的穏当なボラティリティーに終始しています。

最近でこそ、上昇が目立つようになっていますが、これはアベノミクスの恩恵が大きいといえるでしょう。ただし5~8月の過去10年間を見ると、「セル・イン・メイ〜」より重要なのは、勝敗の面で負け先行の流れになっていることです。

5月こそ6勝4敗で勝ち越しですが、6月は4勝6敗、7月は3勝7敗、8月は5勝5敗と夏場に何とかイーブンにしています。

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特に2010年以降の6月は、1勝6敗とまったく振るいません。また、10%超の下落もあります。6月以降から夏場にかけては慎重に相場に臨んだほうが良さそうです。

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6月は検証期間の20年間を概ね3つの期間に分けると、前後半は赤色のバーが目立ち、中盤は緑色のバーが目立ちます。一方、7月は前後半に分けると、前半は勝ちが圧倒していますが、5%以下の変動率が大半を占めています。2007年以降は4つの負け越しで5%以上の下落が3回です。

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過去30年間で見ると、西暦の最後の数字に7がつく年はクライシス(危機)が起きています。1987年はブラックマンデー、1997年はアジア通貨危機、2007年はリーマンショックへと続くパリバショック(サブプライムショック)です。

市場関係者の間では、こうしたアノマリーが2017年にまた出現するかもしれないと警戒する声が多いのですが、新たな周期に入る年と考えれば、緑色が目立つ、つまり上昇期に入る可能性もあります。あくまで期待ですが。。。

 

9月から12月までの月別変動率と勝敗

最後に、9~12月の期間を見ていきましょう。9月はかなりおとなしい月です。勝敗ベースでは夏場の傾向が続き、負け先行の流れです。また、3連敗以上が2回、3連勝が2回あります。一方、変動率は低めに推移する傾向にあります。いわゆる、夏枯れ相場でしょう。

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相場が大きな変動に見舞われると、その相場が継続する傾向がみられますが、高変動相場がいつまでも続くわけではありません。つまり、変動は徐々に収まり、ローソク足が短くなるということです。

これは、それまでのトレンドが弱まり、主役となっていた買い方なり売り方が攻めあぐねている証でもあります。言い換えれば、トレンドが弱まる先には売り買いが拮抗する状態が控えているわけです。そして、その逆もあるということです。月足を見ることによって、こうした動きを「感覚的に」先読みすることもできます。

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10月は、特徴のある月になっています。1998年と2008年は暴落が発生しているからです。先ほど、7のつく年に大きな波乱が起こる傾向があると書きましたが、このようにしてみると、実はその余波は8のつく年のほうが大きいのです。そして、10月に集中している点は特筆すべきでしょう。ブラックマンデーは1987年に起きていますが、10月でした。

大きな波乱が起こる傾向にある10月のデータを見ると警戒したくなりますが、勝敗の面では過去20年間では4つの勝ち越し、直近10年では6つの勝ち越しです。クライシスを除けば変動率は低調で、このあとの月へとつながる重要な時期として位置づけることができます。

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11月は過去20年間でも直近10年間でも2つの勝ち越しで、特に2010年以降は6勝1敗です。大半はアベノミクスや日銀の金融緩和の影響によるものですが、2016年は米国発のトランプラリーによって10%を大幅に超える上昇を演じました。

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12月の変動率は、2008年を境に右肩下がりの傾向にあります。しかし、過去20年間でも直近10年間でも2つの勝ち越しと好調です。ページをタテにスクロールすると分かりますが、最近は10~12月に3カ月連続で緑色のバーが目立ちます。

つまり、夏場の波乱を上手く乗り切り、低変動の9月に場味を確かめる程度でも相場に入り、秋から年末の好調相場に乗ることが最高の成績を上げる1つの方法といえるでしょう。

低変動相場と高変動相場について、もう1つ加えておきたいことがあります。高変動相場は多くの場合、徐々に沈静化していきます。ただでさえ一定以上の変動に身体が慣れてしまっているため、低変動相場に陥ると、数値以上に変動が小さく感じるはずです。

反対に、低変動からある程度の高変動に移行するときは、徐々にではないケースが多く、これもまた数値以上に大きな変動と錯覚することもあるでしょう。この錯覚が「今から乗っても、もう遅い」という感覚を引き起こすのかもしれません。

 

年間の最高値・最安値の出現月には大きな特徴!!

最後に、年間の最高値と最安値の出現月を確認しましょう。先述したように、秋口が重要な時期にあたります。それは、下のデータを見ても明らかです。いつもそうなるわけではありませんが、この傾向が最大のアノマリーではないかと考えています。

最高値を示現したのは、過去20年のうち7回が12月です。一方、最安値は1月に5回と突出しています。最安値が年始ということは、年末近くになるまで、それが最安値になるかどうかが判らないということです。ここは誤解のないようにしてください。また、年末近くに「掉尾の一振を期待する」と囃すのもうなずけます(囃すのは株式市場の関係者ですけど・・・)。

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もう1つ特徴的なのは、第3四半期(7~9月)に年間の最高値と最安値をつけたのは、ともにたったの1回という点です。年末高が多い傾向を考えれば当たり前なのかもしれませんが、第3四半期は天井にも底にもならないという点は覚えておいて損はないと思います。だからといって、盲信するのも考え物です。

年間の最安値は、第4四半期にも集中しています。20回のうち9回です。1月が5回、第1四半期で7回ですから、いかに多いかが分かるでしょう。

3月は日本企業の決算が集中する月で、資金回帰による円高警戒がメディアを中心に叫ばれる時期です。しかし、最高値をつけたのはたったの1回で、最安値に至っては一度もありません。つまり、7~9月に似ているわけです。

日本の年度の第1四半期にあたる4~6月は年間最高値を7回つけています。春から夏にかけて一度は手仕舞う時期を探し、秋口に再エントリーするという大きな流れをつかんでおく必要があるでしょう。

こうしてみると「5月に売り、9月のセントレジャーデイまで相場から離れていろ」という相場格言は、少なくともドル/円相場にとって一理あるのかもしれません。

 

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2件の送信がありました。
小林 さん

統計的データから、格言が裏付けされたようですが、なぜなのでしょうか。

世界経済に影響を与える国々の政治、経済システムが
似通っているいるのか、相互依存・関連性が高いからなのでしょうか。

興味あり、参考になりました。

MYRK さん

貴重なデータ ありがとうございました。

数か月に一度の大きな変動で、痛い目にあっていました。

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