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日本版「セル・イン・メイ」の正体

アノマリーに翻弄される投資家たちのイメージが覆る新事実が判明!「セル・イン・メイ=5月相場は下がりやすい」は誤解だった?

セル・イン・メイ(Sell in May)

こんにちは、盛岩外四です。例年、4月中旬あたりから「Sell in May(セル・イン・メイ、株は5月に売れ)」という言葉をよく耳にします。5月相場は下がりやすいから、ゴールデンウイーク前にポジションを閉じるか、落としておこうという話題です。

相場の世界には日米ともに「二日新甫は荒れる」「満月の夜は売られる」「ジブリの呪い」など、警鐘的な格言や言葉があります。「セル・イン・メイ(Sell in May)」も、その1つです。理由はハッキリしないけど、発生する可能性が高いことをアノマリーと言います。

しかし実際に調べてみると、こうしたアノマリー的な格言などに明確で継続的な傾向があるわけではないケースが多く、イメージがかなり先行したイベントという印象を受けます。

日本では「5月相場は下がりやすい」という意味で使われる「セル・イン・メイ」のオリジナルは、「Sell in May, and go away; don’t come back until St. Leger day.」で、「5月に株を売って立ち去れ。セント・レジャー・デイ(9月の第二土曜日)まで帰ってくるな」という強いメッセージです。

原文を見る限り、「5月に売れ」であって「5月は下がる」とは書かれていません。ただし、昨今はヘッジファンドの決算が5月だから相場が下がりやすいともいわれます。実際の決算は6月や12月が多いようですが、投資家は45日前までに解約を申し出る必要があることから、いつの間にか5月や11月が「決算月」といわれるようになりました。ただし、ヘッジファンドの決算が5月相場に悪影響を及ぼしているかというと、この分野に詳しい専門家は総じて否定的です。

相場の世界はイメージが優先する世界です。「あるか、ないか」「起きているか、起きていないか」よりも、印象や感覚的なものが支配する世界といってもいいでしょう。

そこで、実際に検証してみました。対象は、日経平均とニューヨーク(NY)ダウ、ドル/円で、期間は1997~2015年です。相場は数字の世界ですから、言葉通りの傾向があるのか、何か強いイメージを植え付けられる傾向があるのかを探ってみたいと思います。

相場は流れが重要ですから、5月だけでなく前後の4~6月を含めた3カ月間で、どのような傾向があるのかを見ていく必要があるでしょう。こうした分析は本来、勝ち負け(上昇と下落・陰線と陽線)といった単純比較だけでは、明確な状況を把握することはできません。

変動率(幅)やヒゲやボディの長さなどを数値化して比較する必要があります。しかし、論文めいて分かりにくくなるのも問題ですから、ここでは簡略化して話を進めていきます。それでも、長くなってしまいましたが(汗)。

 

4月は三市場ともゼロラインを維持する傾向

まず、過去19年間の各月の勝敗を市場ごとにカウントし、グラフ化しました。前月の終値に対してプラスになったときは「勝ち」でプラス1点、マイナスになったときは「負け」でマイナス1点でカウントしています(上昇幅・下落幅の大小は考慮していません)。

たとえば、最初の年が勝ちで、次の年が負けなら、グラフの数字はゼロになり、勝ち越しが多いほどプラスの数字は大きくなります。ゼロラインを恒常的に越えているかどうかも注目すべき点です。なお、前月比でプラスが必ずしも陽線であるとは限りません。マイナスが陰線でないときがあるのも同様です。

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4月は、NYダウが15勝4敗、日経平均は11勝8敗、ドル/円が9勝10敗です。ドル/円が2014~2015年に2連敗中のため現状では負け越しですが、三市場とも総じてゼロラインをキープする傾向にあります。

NYダウは2006年から10連勝を記録し、勝ち越しは11。この間にはリーマン・ショックが含まれているのに連勝しているのは特筆すべき点です。また、2006年までの傾向から様変わりしているNYダウは、この傾向が続くのか注目です。

日経平均は2007~2009年に3連勝、勝ち越しが恒常化し、連続した負けは2005〜2006年の1回だけです。日経平均の年度初めは、比較的強い傾向にあるといえるでしょう。

ところが、2016年4月の日経平均は3月29日から下落基調を強めた影響から脱することができず、4月5日まで荒れ模様でした。大幅下落でスタートした新年度入り(4月1日)の相場に対して評論家やマーケットアナリストは、機関投資家が益出しから入るため4月は下がりやすいとコメント(本来は売り先行ということなんでしょうけど)をしていました。

しかし、勝敗だけを見る限り、顕著な傾向は見られません。言葉だけを鵜呑みにしてはいけないという好例といえるでしょう。

 

5月相場の勝敗は決して悪くない

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次に問題の5月です。三市場ともに過去19年の勝敗を見る限り、偏った成績になっていません。日経平均は勝ち越しが1、NYダウとドル/円は1つの負け越しです。

次の着目点はゼロラインです。NYダウは2000年以降、ドル/円は2001年以降でマイナス圏にあり続けていますが、日経平均がマイナス圏に沈んだのは2001年と2013年の2回だけです。日経平均は4月も勝ち越し3でしたから、単純な勝ち負けの面で「5月は下がる」という固定概念を持つべきではないでしょう。

もう1つ指摘しておきたいのは、4月のメモリはプラス11~マイナス1までの12だったのに対し、5月はプラス3~マイナス4までの7と、振れ幅が小さくなっている点です。これは6月の勝敗を見るときに重要です。

ただし、5月は日経平均が2010~2013年に4連敗、NYダウが2010~2012年に3連敗を喫している点を見逃してはならないでしょう。これが印象強く残って「5月相場は下がる」とすり込まれている可能性があります。もう1つ考えられるのは、5月に下落したときの変動幅が大きいと相場に対するイメージは悪くなります。この点は、後で詳細に検証します。

 

「セル・イン・メイ」は原文が正しい?

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6月は顕著な傾向が見られます。本家本元のNYダウは7勝12敗で5つの負け越し、ドル/円は8勝11敗で3つの負け越しに対して、日経平均は13勝6敗で実に7つの勝ち越しです。グラフのメモリはプラス8からマイナス5までで、振れ幅は13。3カ月の中では最大です。NYダウの負け数も目を引きますが、ドル/円もパッとしません。

ドル/円は2005年から5連勝しましたが、現在は3連敗中です。NYダウは2005~2011年までに7連敗、2000~2002年にも3連敗を喫しています。その一方で、日経平均は1997~1999年に3連勝、2003~2007年に5連勝し、これが大幅な勝ち越しにつながっています。NYダウが2011年以降、日経平均は2007年以降で「持ち合い商状」を示していることでも分かるように、両者はほぼ逆相関の関係にあります。

このように単純な勝敗でみると「セル・イン・メイ~」は「6月に下がる傾向があるから、5月には処分しろ」という意味合いが強く、「5月相場は下がる」ということではなさそうです。また、米国で「セル・イン・メイ」が当てはまっても、日本の株式市場にはあまり関係ないといえるでしょう。5月は三市場とも低調でしたが、日経平均に限っていえば、好調な6月に刈り取るための買い場となる可能性すらあります。

こうした傾向が出ているにもかかわらず、評論家やマーケットアナリストはなぜ、「セル・イン・メイ」と「5月相場は下がる」を重ね合わせるのでしょうか。

 

三市場の中で最も高いボラティリティーを記録したのは・・・

市場参加者にとって好ましい相場展開は、適度なボラティリティーと上昇トレンドです。ところが、大きな上下動を伴う下落相場になるとイメージは悪化します。そこでまず、変動率の出現回数を5%刻みでカウントしてみました。変動率は、その月の高値から安値までの値幅(差)を前月の終値で割った数値です。

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このようにしてみると、日経平均株価はNYダウよりも変動率が大きいときが多い傾向にあります。ドル/円は株式市場に比べて変動率が低いのは当然です。そのため、レバレッジをかける必要が出てきます。

話しが横道に逸れましたが、両株式市場を比較すると、4月は5%以上10%未満が日経平均が9回、NYダウは7回です。日経平均が2回上回っています。その代わりに5%未満で数値が同じ分だけ逆転しています。10%以上の2階層については同回数です。

5月は、5%以上10%未満で日経平均が10回、NYダウが13回とリードしていますが、10%以上15%未満は日経平均が4回、NYダウが1回、15%以上はNYダウがゼロですが日経平均は2回もあります。つまり、10%以上の比較では日経平均が6回に対して、NYダウは1回しかありません。ここでも日経平均のボラティリティーが高いことが分かります。

6月は日経平均とNYダウで異なるのは、5%以上10%未満がNYダウが1回多いのに対し、日経平均はその分を15%以上の変動率で補っています。

3カ月間だけの計測ですが、総じて、NYダウよりも日経平均のボラティリティーが高い傾向にあり、特に5月の日経平均はボラティリティーが高くなりがちです。日本で「セル・イン・メイ」を「5月相場は下がる」と重ね合わせる理由は、このあたりにありそうです。

 

高ボラティリティーと下落相場が重なる5月

そこで、日経平均に絞って変動率と勝敗を組み合わせた棒グラフを用意しました。グラフの単位はパーセント(%)、緑色のバーは勝ちの月、赤色のバーは負けの月です。

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4月は、勝ち越しに加え10%以上のボラティリティーで上昇したのが4回です。2000年と2005年が比較的高いボラティリティーを伴う下落になっています。それ以外は、比較的穏当な相場付きといえるでしょう。

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ところが、5月は様変わりです。10%超が6回ありますが、すべて負け(下落)です。しかも、上昇時は2003年の9.14%が最高で、下落時のボラティリティーに比べ、上昇時は高くない傾向にあります。勝敗は1つの勝ち越しでしたが、負けのときはかなり大きな変動に見舞われています。

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6月は2002年に赤色のバーが突出しているほかは、穏当なボラティリティーに終始しています。2007年以降は赤と緑が交互で、ボラティリティーも似通った水準です。

このようにしてみると、単純な比較でも5月は下がるときにはかなりのボラティリティーになり、それがイメージの悪化につながっていると考えられます。下げるときにはかなりドラスティックに下げるのが5月相場の傾向といえるでしょう。

 

下落相場がいつ来てもいいように備えが肝心

検証結果では、下落相場に偏っている訳ではありませんが、下落するときは変動が大きいという傾向は記憶しておくべきでしょう。また6月は傾向として好調ですし、4~6月で3カ月連続で勝ちになった年は3回あります(3連敗したのは1回)。また、3カ月間で勝ち越し回数は13回ですから、過度の悲観に陥らないようにしたいものです。

一般的に、株式投資は「安いとき買って、高くなったら売る」のが基本です。となると、5月に下げたときは「やっぱり下がった~!」と安心せず、買い場探しをすべきときかもしれません。

また、「セル・イン・メイ」だから、「5月相場は下がる」と言われているから、リスク回避姿勢を強めるのではなく、いつ下落相場が来てもいいように、大きな損失を被らないようにポジションを外す水準をしっかりと決めておくべきです。

5月ばかりに下落相場が集中しているわけでもありません。自分の立ち位置とは逆の相場が訪れたときの対処法をしっかりと身に付け、常に実践できるように習慣化しておくことが重要です。「もうこの水準じゃ売れない」「もっと早く売っておけば良かった」と後悔しないためにも、です。言葉を鵜呑みにせず、かといって油断もせず、常にセーフティーネットを張り、次の一手を打てる余力を持って相場に臨みたいものです。

 

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4件の送信がありました。
まぁ~ さん

きちんと事実を検証すると,真実が見えてくるんですね。

oka さん

早く次の画像が観たい出です。

oka さん

セミリタイアしたいです。

山田太陽 さん

面白かったです。

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