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需給はファンダメンタルズを凌ぐもの

FXでも需給を無視して教科書どおりの展開を期待できるわけがない!勝つために市場参加者の買いたい気持ち、売りたい気持ちの限界を知る

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盛岩外四です。

ここのところ、エコノミストやストラテジストが壊れてきています。相場が教科書どおりの動きをしないからです。

彼らは、「日米金利差が拡大している限り、いずれドル買いに傾く」「日経平均とドル/円の相関関係は崩れた」「2月の雇用統計発表後は明らかに悪い金利上昇」などと連呼しています。

しかし、そうしたコメントをあざ笑うかのようにドル/円は下振れ。1年3カ月ぶりに105円台(2月19日)をつけました。彼らに欠けているのは、相場実態を直視しないことです。

どんなに机上で計算したり理論を振りかざしたりしても、相場の需給を無視すれば、教科書どおりの展開など期待できるはずがありません。

そもそも、計算や理論のとおりに相場が動くのであれば、バブルなど発生しないはずです。とはいえ、いずれは彼らの言うとおりの展開になるのでしょう。

しかし、実際に資金を投じている私たちトレーダーからすると、彼らの「分析・論評」は空虚にしか聞こえません。

仮に、数カ月先のドル/円が教科書どおりに120円になったとしても、その間に逆目が出れば損失を被り、軍資金は減ってしまいます。

「今はバブルだ!!」「下げすぎだ!」「セオリーに反する」「掟が変わった」「日銀の出口を織り込みはじめた」などと言葉遊びに興じても、実際の相場は「バブル的な上昇」をすることもあれば、「実体経済を反映していない暴落」をすることもあります。理屈では立証できないような低変動相場も起こります。

私たちは、眼前で起きている相場それ自体をそのまま受け入れなければならないのです。さもなければ、資金は底をつくことになるでしょう。とはいえ、口を開けて、されるがままに翻弄されるわけにはいきません。

 

相場は相場に聞け!

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2月に入ってからの相場展開、少なくともドル/円が崩れたことは、それなりに予想することができました。

相場の答えは「価格にある」などとよく言われます。相場格言でいえば「相場は相場に聞け」です。相場(価格)を動かすのは材料であり、市場参加者の買いたい気持ち、売りたい気持ちです。

その一方で限界もあります。皆が当たり前のように買ってしまえば、たとえば、ドル/円の「キャパ」は一杯になります。この「キャパ」こそが重要なのです。これ以上買っても上がらないといえば分かりやすいでしょうか。つまり、ここ最近のドル/円はキャパ一杯になっていたのです。

キャパが一杯でも、その方向に相場が動けば、需給関係が歪むことなく動きます。ただ、動きが重くなるだけです。最近でいえば、ユーロ/ドルがその好例でしょう。

ところが、キャパ一杯の状態で相場が逆方向に動けばどうなるでしょうか。

「日米金利差の拡大」というセオリーがあるため、すでに買っている市場参加者は、なおのこと皆踏ん張ります。損失が膨らんでも耐えるわけです。そこに押し目を狙っていた人たちも参戦してきます。それでも相場が上がらなければ、後は想像できますよね。そうです。下落するだけです。

この状態で相場が底割れを起こせば、投げ売りが始まります。外国為替相場の基本であるはずの「金利差によって動く」というセオリーは、需給が歪んでいる状態ではほとんど機能しません。

需給はファンダメンタルズを凌ぐ」という理由は、まさにここにあります。もう少し掘り下げましょう。

キャパ一杯の状態で相場を押し上げるには、これまでに買っていた以上の買いが入らなければなりません。つまり、これまでの買いポジションを飲み込めるだけの新たな買い手が出現しなければならないということです。

ところが、市場支配力の強い大口の参加者はだいたい買い切っています。となると、あとは追い銭を払ってでも強気で買える材料が出現するか、キャパ一杯のポジションが一定程度整理されなければ、相場が本格反騰したり、真正の上昇トレンドに転換したりすることは期待薄なのです。

これは「もっと下がる」と警告を発しているのではありません。需給関係に着目するか、テクニカル指標の指示どおりに動くかのいずれかを手がかりにする必要があるということです。

 

誰かが仕掛けているのか?

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イメージがちょっと掴めないという方もいるかもしれませんので、たとえ話をしましょう。

銀座でブランド品をしこたま買い込んで、両手で持ちきれないほどの袋を持っているとします。袋だけでなく、自分の頭の上まで大きな箱が何段も積まれています。歩くにも前を見ることすらできません。こんなシーン、映画ではよく見受けますよね。

さて、ここでもっと買いたいと思っても、もう買えません。お金がないからではなく、抱えきれないからです。となると、一部の荷物を下ろす必要があります。

今の状態でも足取りがおぼつかないのに、何か不測の衝撃が加わったり、ほんの少しだけバランスを崩したりすれば、荷物を放りだしてしまうでしょう。

これを今の相場になぞると、荷物は買いポジションになります。買いポジションを下ろすということは、ポジションを解消するということです。これで、新しい荷物を抱えられるようになります。

では、ポジションを解消しないで、マーケットに何らかのショックが走ったらどうでしょう。ポジションを放り投げるしかありません。

相場が自分たちにとって悪い方向に動くと、マーケットウォッチャーは「ヘッジファンドの売り仕掛けだ」「プログラムによるファンダメンタルズを無視したトレードだ」と悪玉論を展開します。人のせいにしたくなる気持ちは分かります。

しかし、誰かが仕掛けているのではなく、自分たちの重みで相場が崩れているとしたら?相場を需給の面からみると、よくある話なのです。

 

逆もまた真なり!

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実際、外国為替市場のデータをみると、少なくとも、円買いポジション(ドル/円の売り)を積極的に積み上げている兆候は見られません。つまり、本格的に円買いをしているわけではないのです。

同時に、買いポジションがドラスティックに整理されたという事実もありません。キャパ一杯の状態からは脱していないのです。

このように書くと、「需給の歪みはマーケットクラッシュを引き起こす」という誤解を招くかもしれませんね。そうではありません。

逆もまた真なりで、売りポジションが溜まりに溜まれば、相場は下げにくくなります。そして、少しだけでも買いが入れば、相場は勢いよく上昇します。売り方が急いで買い戻そうとするからです。

株式市場なら、大量の空売りポジションが買い戻されることで急騰するという、踏み上げ相場が典型例といえるでしょう。FXの世界では「需給」という考えが稀薄なので、今まで注意して見てこなかった人が多いかもしれませんね。

繰り返しますが、「需給はファンダメンタルズを凌ぐ」ことがあります。ファンダメンタルズで説明できなくても、テクニカル分析ではちゃんと説明がつくのです。

トレード判断のツールとして相場の需給データを活用してみてはいかがでしょうか。

 

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14件の送信がありました。
ナカムラ さん

需給の天井と底を知る手立てはないですか?

ブロン さん

天井で売る方法を教えて下さい

rima さん

受給データ、参考になりました。

コリパン さん

盛岩センセの言葉や動画は非常にわかりやすく噛み砕いてくれるのですごくわかりやすいです^^

わかりやすいで満足せずに見に付くように勉強させていただきます

MAX さん

そうなんですか?

ブル さん

勉強になります。ありがとうございます。

shoshinnsha さん

今の市場状況を理解するのに、大変わかりやすいブログでした。
「相場の需給データ」について、もう少し詳しく知りたいと思います。

トミー さん

いつも楽しみにしています。
用語が難しいですが何度も読んでいると世の中のながれやお金のながれが行くべき方向に行っているのかなと感じています。

みーやん さん

株・為替とも始めたばかりのド初心者です。
お話は何となく理解できました。
需給はどういったものを見れば分かるのでしょうか?
ご教示ください!

ダンディ さん

本文の内容を忘れないよう、トレードに活かして行きます。

今回も勉強になりました。ありがとうございます。

take さん

ためになりました

伊東 厚 さん

ちょっと難しそうですね。どういうものを見れば良いのですか?

谷川 さん

需給か、盲点ですね,見えてないですね,素人にはー

MAX さん

エコノミストなどの机上の空論家などは端から無視しています。
相場は需給関係でチャートが描かれるだけです。

なによりもどんな相場状況にも対応しようなどとは、なんちゃってエコノミスト同様端から考えないことです。

AIがどんなにディープラーニングを重ねたところで、すべての相場状況を解読するなどは不可能だからです。AI同士の戦いでAI君も消耗してバグを排出することになりかねません。

自分がわかる相場状況、もしくは自分が勝てる確率の高い相場状況の時だけ対応すればいいだけです。

相場は難しく考えたらキリがありません。そこからすでに負け戦です。相場はカンタンに考える・対応するほうがよっぽど勝ち戦ができます。

相場の収益はトレード回数には比例しません。安定感にはきちんと比例します。

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