生き馬の目を抜く証券市場を生き抜く
多くの投資家がバブル崩壊で痛手を被った本当の理由!<言葉の教訓>肝に銘じなければ、生き馬の目を抜く住人にあなたの資金はさらわれる
盛岩外四です。
「生き馬の目を抜く証券市場(証券界)」という言葉に初めて出会ったのは、30年と少し前。証券会社に就職して1年目を終えようとするときでした。
入社半年を過ぎた頃にはブラックマンデーに見舞われ、投資家から羨望の眼(まなこ)で見られていたNTT株第二次売り出しは惨憺たる結果。
株価が上がろうが下がろうが、お構いなしに襲いかかってくるノルマ、ノルマ、ノルマ。「これは、とんでもない業界に飛び込んでしまった!!」と後悔しきりでした。
バブル時代だったこともあり、証券業界はイケイケ!今の時代なら、発覚すれば、まず間違いなくお縄になるようなことが、当然のようにまかり通る世界でした。
だからでしょうか。無知だった盛岩は、「生き馬の目を抜く」とは「生きている馬の目を平気でえぐり出すこと」と思っていました。
そして、3年半程度で耐えきれずにあえなく「撤退」。生きている馬の目を平気でえぐり出すような業界とは決別したつもりでした。
違和感・・・意味が違った?
しかし、因果は巡るものです。退職してから、およそ10年後に「あの言葉」と再会します。
当時はネットバブルが崩壊し、盛岩もご多分に漏れずに痛手を負っていた時期です。完全に逃げ遅れ、一部の銘柄は回復不能と思えるような状態になり果て、「生き馬の目を抜く証券界は怖い!」とあらためて痛感したものでした。
と同時に、漠然とした違和感も覚えていました。「いくら何でも、生きている馬の目を平気でえぐり出す業界なんて、あまりに変だろう!!」と。
そこで辞書を引いてみると、やっぱり!!「生き馬の目を抜くほど、素早く事をするさま」「他人を出し抜いて素早く利を得るさま」とあります。
後者の「他人を出し抜いて~」はあまりいい言葉ではありませんが、「素早く事をする」という言葉はすっと身体の中に溶け込んでいきました。
ネットバブル崩壊で痛手を被ったのは、相場のせいではなく、自分が「素早く決断・実行できなかった」ことにある、と。
相場の世界は非情なので・・・
それ以来、相場がクラッシュを始めたと感じたときは、「多少の傷は問答無用ですべてのポジションを切る」ことが最善の策と悟り、実行しています。
これは、早めに切って資金を温存するという意味だけではありません。下落したものは、一時的にも自律反発します。そうした短期的な好機を狙うにしても、バーゲンハンティングをするにも「全売り」をしてポジションを空けておけなければなりません。
相場を外野から解説する人たちは「ナンピンの好機」などといいますが、よほどの精神力の持ち主か、資金が潤沢にある人以外は、持っているポジションをそのままにしてナンピンする気力など残っているはずがありません。
つまり、「初動での決断と実行」が大事ということです。
相場とは非情なもので、投資家が「少し様子を見て」などと考えているときほど容赦なく襲いかかってきます。これは至極当然で、背景には需給悪があるからです。
様子見している間も下落すれば、ポジションはみるみるうちに深手を負っていきます。1人だけ決断できないのであれば、相場への影響は皆無です。
しかし、皆がそう思っているときほど下げを助長し、いずれ損失に耐えきれなくなります。そして「一斉に投げ売り」に動くと、目も当てられないような下落相場になるのです。
ここで不可思議なことが起こります。皆が投げ売りをしているのに値が付くということは、誰かが受け皿になっている、つまり、買っているということです。
ショートを狙っていた人たちも、これを見せられたら矛を収めるでしょう。セリングクライマックスです。このとき、一斉に投げ売りされたポジションをさらうのは、いったい誰でしょう。
多少の傷はお構いなしに先んじて投げ、態勢を整えていた人たちと資金が潤沢にある人たちです。加えれば、ショートポジションを買い戻す人たちです。
相場の世界は非情だからといって「他人を出し抜く」必要はありませんが、売るにも買うにも「素早く事をする」ことを肝に銘じてください。
言葉というものは、風雪に耐え、いつの時代にもその教訓が通用するからこそ残っているのです。
「様子見」が許されるのは?!
2月序盤からの相場急落は人工知能(AI)やシステムによるものと、当たり障りのない悪玉論が目立ちます。まるで、ブラックマンデーのときに言われたこととほぼ同じです。
しかし、よく考えてください。AIだろうが、システムだろうが、意図を持って売っているわけではありません。「彼ら」には恐らく「少し様子を見る」というプログラムも組まれていないはずです。なぜなら、「少し」を定義することは簡単ではないからです。
「少し」とは時間のことでしょうか、それとも、あと10%下げたらという意味でしょうか。極めて曖昧です。人によっても、その基準は異なります。つまり、AI悪玉論を展開しても無意味なのです。
それより重要なことは、「何らかの意図を持ち、システムがディープラーニングするようにプログラムしている人たち」がいるということです。その人たちもやはり「生き馬の目を抜く」世界の住人です。
彼らに一瞬の隙も見せてはいけません。少なくともポジションをもっているときは!です。そうでなければ他人を出し抜き素早く利を得る人たちがあなたの資金をさらっていきます。
「様子見」が許されるのは、ポジションがないときだけなのです。
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なるほどー!
次は、もっと迅速に決断・実行しようと思いました。
ありがとうございました。
ネット株歴2年目で、初の急落相場を実体験・・・
幸い 値戻し中かと希望的観測でいますが、
自分では有望と思って買っている銘柄なので
ロスカットせずにいますが
ここの安値で買いたい!と思っても余裕資金がないと
エントリーできませんでした。
今後への戒め!!!
盛岩先生のお話の全て自分のことを言われているみたいです。瞬間にバサッと切ることのむつかしさは嫌というほど経験してきました。今回の下げはいつか来ると気にしていましたので瞬間にはできませんでしたが、自分としては思い切った切り方が出来た方かなと思っています。切ったおかげで、昨日今日買戻しが出来ました。但しこれが正解かどうかはまだわかりません。次は瞬間に切れるように心がけます。有難うございました。
セリングクライマックスに手を出せるほど資金も度胸もなければ、参戦しないことです。素人が手を出せる相場状況ではないからです。プロ同士の合戦を見学するだけが関の山です。
とはいっても好むと好まざるとに関わらず巻き込まれることがあります。その時はさっさと撤退するに限ります。急落・急騰に参戦しようとする考えをそもそもなくすべきだと思っています。
相場は適度な環境で参戦するに限ります。
それしか資金もスキルもないのですから。。。。。
なるほど、相場とはシビアなものですね。理屈では、分かっていても、売って、反発の繰り返しです。自分の売った銘柄にもう一度入れば、利益になるところ、いつも入れずにいるのですが、盛岩外四さんのお言葉から、肝に銘じて下降トレンド→早めの退散 →反発したら、エントリーを徹底しようと思います。
今後の動きはまだまだ不安要素がありまくりで積極的に売買は出来ない状況かと思ってます
2月5日からの下げで短期目線の株は9割方売り抜けして利確・損切が出来ました
こういう時こそ現金ポジションが生きますよね^^
2月19日の週で約2週間が過ぎます 調整を終えてダウが高値を更新していくのか2番天井を付けて下落基調なのか注目したいです